たなかこういちの開発ノート

システム開発に携わる筆者が、あれこれアウトプットするブログ

私的実践DDD、その1

ようやく「実践ドメイン駆動設計」を読み終わりました。 髙木正弘訳、ヴァーン・ヴァーノン著、「実践ドメイン駆動設計」 実際にありそうな開発プロジェクトのストーリーに沿うかたちで話が進められます。コードExampleが極めて具体的に示されて、どうすべき…

キャシュ層を挟む

以前の記事で、フロントエンド-バックエンドのI/Fをどうするか話しましたが、ここにRead Cache層を差し込んでみます。 キャッシュは、最近の大規模サービスではほぼ必須の技術要素といえます。実装としては、memcachedやRedisといったインメモリーKVSがよく…

要件から設計する行為を、「Object」、「Subject」、「Attribute」、「Projection」で説明してみる

(Domain's) Objectとは? 業務プロセスに対する要求・要件の分析観点で抽出される、業務上のひとつの“管理対象”を認識したものを「(Domain's) Object」と、ここでは称することとします。「業務上のひとつの“管理対象”」とは、、業務プロセス内にひとつの部分…

業務プロセス、業務ロジックの理解と、フロントエンド−バックエンド間I/Fの詳細

下記は一般的なn層アーキテクチャーの図です。各層をここでは「Presentation」、「Business Logic」、「Data Access」と表現しています。 ただしいくつか特徴があります。一点目は、参照系と更新系のBusiness Logicを分別して表現していること。二点目は、「…

エラーケースのパターン分類〔ライブラリ実装編〕

(※〔運用編〕からの続きです。) エラーについての一連の記事では「処理」として「業務ロジック」を想定して議論を進めていました。では、その業務ロジックの実行環境・実行基盤たるフレームワークを実装するときや、日付演算ユーティリティ、XMLプロセッサ…

アジャイルでスタートアップも、軌道に乗ったらUPへ移行すべきときが来る、というものかもしれない

前の記事でも書きましたが、この1年ほど、コンシューマー向けWebサービス立ち上げのタイミングで、スクラムを実施する現場に参画することができました。Unified Processベースで開発プロセスを思考していた私にとって、ホンモノのアジャイルの現場は、当初は…

"Issue #19 can't be closed" (Complete Ver.)

歌 アイルちゃん 初めはいつもと同じコメント いつものように少し意地悪、少し優しく だけどようやく気付いた、 この繰り返しを終わらせたいから わたしはアイを進める 想いは全てcommitしたわ テストコードも抜かりはないの お願い、Merge me with you! わ…

ウー太くんとアイルちゃんの対話

ウー太くんは、アイルちゃんに対して次のように問いかけます。 「スケジュールとリソースとスコープについての計画が無ければ一体どうやってプロジェクトをマネージメントすることができるというんだい?」 アイルちゃんはウー太くんに対して、次のように答…

アジャイルとウォーターフォールは文化や価値観のレベルで異なるという話

ここ1年ほど、コンシューマー向けのWebサービス開発のプロジェクトに参画できました。タイミングとしては、フロント側のミニマム版の先行リリースが済んだところから、バックオフィス側を含めた当初予定の機能一式が揃うまで(いわば「Ver.1.0」といったとこ…

扇風機「GreenFan」を生み出したバルミューダ社が、急成長に伴い“アジャイル”から“UP”に転換した話

5月の連休にはいくつか書籍を読みました。そのうちの一冊が次です。 守山久子著/日経デザイン編 、「バルミューダ 奇跡のデザイン経営 ゼロからブランドを築く8つの法則」 バルミューダ株式会社(http://www.balmuda.com/)は、社員数3名、売上4500万円の、…