たなかこういちの開発ノート

システム開発に携わる筆者が、あれこれアウトプットするブログ

「アパレル業界における廃棄在庫問題」

6月6日に開催された、下記講演会に参加してきました。
 
「ファッションとサスティナブル」〜これからのアパレル企業が目指すもの〜
 
 
事前知識 〜 アパレル業界における廃棄在庫問題
 
アパレル業界では「サスティナブル」というキーワードが、マーケットの一潮流を形成しつつあり、ビジネス上の課題として浮上しているそうです。
 
<「サスティナブル」に関する参考記事>
- "ニュース2018② サスティナブル広がる", 繊研新聞電子版:
- "ファッションとサステイナビリティの未来を考える", WWD JAPAN:
- "海外ミレニアル世代に起こる「サスティナブル・ファッション」とは?", AMP:
 
「サスティナビリティ」という課題は、工程や素材の問題、廃棄の問題、などいくつかのサブ課題にブレークダウンされます。今回の講演会は「廃棄在庫問題」に注目したものです。
 
<「廃棄在庫問題」に関する参考記事>
- "新品の服を焼却!売れ残り14億点の舞台裏", NHKクローズアップ現代:
- "深すぎるファッション業界の「廃棄」問題と改善の兆し", Forbes JAPAN:
- "「アパレル廃棄問題」から近未来の社会シフトが見えてくる", ITmediaビジネス:
 
■ 背景説明 〜 なぜこのブログで「アパレル廃棄在庫問題」を扱うのか?
 
・・・で、なぜアパレルの廃棄在庫問題が、このブログの話題となるのかというと、、、
私は現在、(株)Monoposという、「オムニチャネル小売」を事業ドメインとして、B2B2Cの構えでSaaS/PaaSを提供している会社で仕事をしています。Monoposは、現在は「ライフスタイル商品(生鮮を除く)の小売・卸売」を事業領域に設定していますが、もともとは代表がアパレル業界出身だったこともあり、中でも「アパレル小売」が中核となっています。
 
私自身は、アパレル業界はまったく知りませんが(知らなかったですが)、「リアル現物を扱う業務システム=販売管理・在庫管理」をやりたくてMonoposに参画しました。延いて、「アパレル小売::在庫管理ドメイン」を理解すべく、事業担当者向けセッションで勉強しようと思うに至ったわけです。ドメイン駆動設計的にいえば、ドメインエキスパートの話を伺い行った、ということです。
 
 
各講演のメモ
 
◆注意!◆
自分として関心を持って記憶に残ってる範囲を記したもので、各登壇者様の講演内容や講演趣旨を表したものではありません。
 
OTS (http://www.e-ots.jp/) 小橋氏
・司会進行
 
ディマンドワークス (http://dwks.jp/) 斎藤氏
・「シーズン末在庫に見る死筋商品の正体とは?」
・在庫を如何に残さないようにするか
・「ファッション専門店の店頭在庫最適化」をテーマにしている
・商社時代
・バイヤーから経営企画
・小売時代
・靴
・サイズラインナップ
・店頭ごとに在庫揃えが歯抜け、だった
・何が店頭に起こっているか?
・需給アンマッチ
・お客様需要と在庫のマッチング
・店頭で捌けるようなれば、在庫は流れる
・今日のスコープから外れるが、お客様のクローゼットの中身の最適化までスコープにする
・「お客様のクローゼット」というロケーション
・メルカリ、 など
・「売れ筋」、「死に筋」とは?
・回答事例:
・売れ筋:
・「販売数量の多い」
・「会社で仕掛けている」
・「メディア露出」
・「販売員の評判」
・「販売予定期間でプロパー消化60%」(←よい!)
・死に筋:
・「消化すすまない」
・「顧客が見ない」
・「再編集しても売れない」
・「計画に対して消化がすすまない」(←よい!)
・売上上位でも在庫過多なら死に筋
・死に筋の正体:
・無計画に作りすぎた商品
・原価合わせのために作り過ぎたり
・価格設定の間違い
・納期遅れで販売期間が短くなった
※アパレルは販売期間は短い
・売れない色
・なぜそのカラバリ作るのか?
・深追いして過剰発注
・売れ筋の残品
・1桁台の在庫数
・そもそも「アパレルビジネス」とは?
・1シーズン13週、正価販売期間は最初の8週
・8週間のために、8ヶ月前から予測して準備しなければならない
・気温変化で売れ筋変わる
・春物=25度以下、25度以上=夏物
・「粗利高の最大化を考えるブロックパズル」
・どうしたら値下げせず残在庫減らせるか
・コーディネートできない配色のは残る
・現在の売り場や、既存製品とのコーデを踏まえてデザインする
・売り場の什器構成を踏まえて型数を設定する
・什器としての受け入れ可能最大型数がある
・ZARAの作り足し型
・ユニクロ
・年間、週間の売上計画をたてて、実績ズレを週次で見る
・シーズンをきっちり定義する
・投入時期ではなく、売り切る時期に合わせて付ける
・夏冬は明確、春秋はあいまいだったりする
 
アイコレクトジャパン (https://www.ico-spirit.com/ja/) 田中氏
・本社ドイツ
・古着のリサイクル工場
・「循環型アパレル産業の提案」
・ブランドさんと協力して、回収箱を用意している
・"主語"はパートナー企業さま
・「アパレル企業のCSR」を支援
・循環型社会の優先順位
1. 再利用
2. リサイクル
3. サーマルリサイクル
・継続できるか?
・"Global Fashion Agenda"
 
ウィファブリック (https://www.wefabrik.jp/) 福屋氏
・スマセル (https://www.smasell.jp/)
・在庫の企業間マッチングサービス
・在庫処分のために
・Excelと画像があれば、直ぐに出品できる
・Web←→リアル × B2B←→B2C
・いくつかの出品モデル
・売買条件マッチング
・ブランド毀損回避のために、指定セグメントのバイヤーにのみ提案できる、など
・ブランド毀損しないマッチング先:
- ファッションレンタル業者
- 海外
- 寄付
・OTS×スマセル
・プランA:
・スマセル倉庫に移動させる
・プランB:
・物理移動せず、システム上で連携
・CSR的なアクティビティ、企業価値を測る新しい指標:
- 「SGDs」
- 「ESG投資」
- 「ダイベストメント」
 
NHN SAVAWAY (https://nhn-savaway.com/安達氏
・Yahoo時代に、リユースのプロジェクトを立ち上げたりしてきた
・SAVAWAY社
・途中でNHNグループに入る
・ECのプラットフォームを提供している
・サービスを持ってる訳ではなくプラットフォーム
・在庫一元化
・オムニチャネル
・「テンポクラウド」
・個々の物理店舗やスタッフ個々人に紐づいた個別のEC展開可能
・ECでの売上が、店舗やスタッフに紐づけられる
・個々の店舗やスタッフ個々人が運営するSNSの延長としてのEC 
・ECとリユースのプラットフォームを統合する
 
◆以上